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所用時間は5分!ドローンで「足場不要の屋根調査」が実現し、ミニクーパーで訪問する営業スタイルに(コトブキ 小野 広和)

屋根に登らず、簡単かつ安全に現地調査を済ませられる方法として、株式会社CLUEが開発したのが「ドローンを自動操縦して屋根の写真を撮るアプリ」である『DroneRoofer(ドローンルーファー)』です。 https://www.youtube.com/watch?v=mGWFEwKmIJA iPadをタップするだけで自動飛行、位置調整、撮影を完了できるため、操縦訓練は必要ありません。ドローン一式とiPadはもちろん、飛行に必要な許可申請、使用中のドローン保険、導入とアフターサポートまでワンパッケージでご提供しています。 今回は、実際にDroneRooferを導入している株式会社コトブキを訪問。代表取締役社長の小野広和様に、導入前後の変化や感じているメリット、施主の反応などを伺いました。 使ってわかった『DroneRoofer』3つのメリット 1. ドローンを飛ばした経験がなくても使える、操作性の良さ 2. 命の危険なく、天井高がある建物も即日で現地調査が可能 3. 施主へのスピーディな説明・対応、経過報告で信頼が増す コトブキについて 株式会社コトブキ 業種:屋根外装工事、リフォーム事業 所在地:千葉県我孫子市 設立年月日:1993年9月9日 社員数:13名(お抱え職人60名)   購入の決め手は「DroneRooferがあれば解決する問題」に直面したこと ── コトブキ様はDroneRooferのリリース初期からご利用いただいていますね。 いやぁ、楽しくて仕方ないですよ、ドローン! ── 嬉しいです!「コトブキさんはドローンを使ってガンガン受注している」とウワサも聞いています。 それはちょっと大げさかな(笑)。でも、かなり活用はさせてもらってます。 ── 今日はその楽しいところと、活用の仕方、導入後の成果などを伺えれば。これまでにも業態を変化させながら、新しいことに挑戦してこられたかと思います。 大元の創業は大正14年で、昭和40年には屋根瓦の販売を行う問屋になりました。僕は28歳でこの会社へ戻ってきたのですが、ある日、施工の案件が取れたんです。それが面白くて2年、3年と続けていくうちに、別会社にしないといけないくらいに成長しました。そこで立ち上げたのが、この「コトブキ」という会社です。 ── 現在は屋根外装工事やリフォーム事業に注力されていますね。 リフォーム事業は3年前くらいから手がけています。人口減で新築需要が目減りするのはわかっていましたから、次のステップへ進んでいくためにリフォームにも注力するようになって、仕事の割合を増やしているところです。 ── なぜ、DroneRooferを導入したのでしょうか。 屋根外装工事やリフォームで必要になるのが「現地調査」です。職人が屋根に梯子をかけ、写真を撮って確認するのが一般的ですが、受注前では足場がなく命綱もありませんから危険を伴う仕事です。 導入を決めた案件があるんです。ある時、現地調査へ赴いてみると、擁壁5メートルの上に立つ物件でした。屋根に上ると実質的に4階建てと同じような高さになってしまう。さすがに危険度が高いので断りを入れようと考えたのですが、施主から「そこをなんとか」と言われてしまって。そこで「DroneRooferがあれば解決する問題だ」と感じたんです。 ── たしかにドローンであれば人が屋根に上がらずに、空撮写真で目的が果たせます。DroneRooferとの出会いは? 僕は屋根関連のとある協会の支部長と、首都圏の屋根外装工事を手がける若手の集まりにも加入しているのですが、そこでDroneRooferの話が挙がったことがありました。勉強会を開催したら参加者から反響があって、全国規模での勉強会にCLUE(DroneRooferの開発元)をお呼びして話を聞いても、やはり手応えを感じました。 CLUEから「屋根外装工事のニーズに合ったものを作りたい」と要望があり、開発でのヒアリングなどに協力を始めました。東日本支部のメンバーからも同じように声を集めているので、DroneRooferはまさに現場の声を反映しているアプリなんですね。ヒアリングにも協力して価値もわかっていましたから、完成したと聞いて「買ってみるしかないか!」と。 そうそう、ドローンを買う前に自分も空を飛んでみようと思って、この正月にハワイでスカイダイビングしたんですよ。それがウェブサイトの「TOPへ!」の写真です(笑)。 スーツでミニクーパー、それにドローン。営業スタイルにも変化あり ── そして、2018年3月始めから導入していただきましたが、使い心地はいかがですか。 今は毎週使っています。DroneRooferは出来が非常に良い。GPSを感知しさえすれば、iPadからボタンひとつでほぼ自動操作ですから。ドローンを飛ばした経験がなくても、すぐに使い始められました。 住宅地の電線など頭上に障害物がある場合も、少し離れた場所から飛ばして、リアルタイムに写る映像から見たいところをタッチすれば移動してくれます。直感的に使えますね。 ── 使用する中で感じたメリットや気づきはありましたか。 営業と受注後と、どちらにもDroneRooferを活用しています。 僕の営業スタイルはDroneRooferが来てから変わりました。現地調査にも、スーツを着て、ミニクーパーのトランクにDroneRooferの一式だけを積んでいくんです。住宅街だと駐車スペースがないくらいの場所もありますが、小回りの利くミニクーパーなら入っていけます。 施主から「梯子は持ってきていないの?」と驚かれることも慣れましたね。その場で施主と一緒に映像を見ながら臨場感をもって営業ができるだけでなく、近隣の人から「うちも見てよ」と声をかけられたこともあります。そのときの点検料は無料で、「何か問題があればすぐにお声がけください」と言って(笑)。 ── DroneRooferを使うこと自体が宣伝になることもあるんですね。 ありますね。ドローンを組み立て、飛ばして、写真を撮ってお見せする。作業負担なら5分の1になったでしょうか。60分ほどかかっていた現地調査が5分で終わりますからね。これまで現地調査は屋根伝いに1面ずつ撮影するのが通常でしたが、ドローンなら東西南北の4面を同時に撮影できるから楽なんです。 つまり、施主に話しやすく、時間が短縮でき、危険もなくなったわけです。 ── 受注後、施工している間にはどのようにドローンを活用しているのでしょうか。 施主に施工風景をお見せしています。通常の家なら7棟分にもなる大型のグループホームの案件がありましたが、定期的に空撮写真を見せることで、紙芝居的に進捗報告ができました。これまで屋根の工事の多くは「誰からも見えない部分」でした。もちろん、職人たちが手抜きをしているわけではありませんが、写真を伴って説明しやすくなりました。 ── 進捗の状況が見えるのは施主としては嬉しいですし、安心できそうですね。 こういったことはドローンがなければ実現しなかった仕事です。みなさん現地調査など「点検」業務までは考えが及ぶと思うのですが、「途中を見せる」という仕事にも使えると気づいたのは大きかったですね。 施主との信頼関係においては非常に役に立ってくれています。そのたびに現地へ赴く手間はありますが、コトブキのように地域密着型で仕事をしているからこそ、必要でもあると感じます。 ── グループホームのような大型案件だけでなく、これまでにない仕事も受注できたそうですね。 我孫子市にある体育館の屋根を手がけることになりました。体育館のように天井高がある物件は梯子が届きませんからチャンスもなく、興味もなかった仕事です。ドローンがあれば屋根に浮いた錆もすぐに確認でき、仕事の幅が広がりました。お寺のように屋根が急勾配な建物でもドローンは活躍します。こういった屋根はそもそも人が上がれませんからね。 DroneRooferで撮影できる写真は、素材に書かれた建材メーカーの文字まで見えるほど鮮明です。天窓の水漏れの箇所まではっきり見えます。ですから、そもそも人間の手仕事とは「できること」が全く違うという印象です。 受注から少し逸れますが、お客様から面白いお声がけをいただいたこともあります。図面で積算は済んでいたのですが、施主の息子さんが工学部を志望する受験生で、「ドローンを飛ばすところが見たい」とリクエストをいただいて。そんな風に、会話や契約のきっかけになることもありました。 ドローンが施主と施工の「信頼」をつなぐ ── メリットを感じてもらえて、開発者としてはとても嬉しいです。もし、ドローンの導入を検討している人にアドバイスするとしたら、どのような声をかけますか。 初期費用がそれなりにかかることで二の足を踏む方も多いようですが、それも考え方次第かなと思っています。コトブキの場合は大型物件を受注することでき、それだけで元は取れました。それに、ドローンをお見せした案件は、今のところほぼ契約できていますから。 仲間からもよく「コトブキさんはなぜ仕事があるの?」と聞かれますが、これをやると決めれば、それに合わせた仕事があるものです。最近では施主から電話がきても「ドローンでいいですか?」と積極的に返しているくらい、我が社では活用の幅が広がっています。 ── 使い続ける中で、DroneRooferに感じた可能性があればお聞かせください。 営業や受注後の報告だけでなく、リフォームや新築の引き渡し時にも使えると考えています。施主に鍵を渡す前に足場を解体するわけですが、その段階で屋根にクラックなどが入ってしまい、そのまま引き渡す可能性はゼロとはいえません。 引き渡し時の写真を残しておけば、その後の10年点検でクラックが見つかった場合にも、「どの段階から発生してしまったのか」について、施主側と施工側の対立が生まれるのを防ぐ要素のひとつになるはずです。両者にとって「信頼」を結べる意味でも有用です。 従来の屋根外装工事では気づかない、あるいは気づけないこと。見えないこと、わからないことが、そのままになってしまっていた部分は否めません。そこをDroneRooferで解消し、僕は仲間に「屋根も見える化しよう」と話しています。 ── 見えるようにすることで、屋根外装工事業がこれまで手がつけにくかった課題を解決していく道筋になるのですね。最後に、DroneRooferの今後に期待したい部分があれば教えてください。 現在は写真のみの撮影ですが、動画でも記録できる仕組みがあるといいですね。施主に対して臨場感をもった紹介できますから、より「決め手」になると感じます。リアルさでいえば、やはり写真より動画に分があります。 積算ソフトとの連携もなされると、非常に使い勝手が良くなるでしょう。これはすでにアメリカでの先行例もあるため、遅かれ早かれ期待が持てると考えています。 今でも図面があれば積算は可能ですが、ドローンで拾ったそばから会社のPCにデータを飛ばせば、現地調査から帰ってくる頃には見積もりをまとめられ、すぐにLINEなどで施主に対しても提案できます。スピード感がアップするだけでなく、案件の幅が広がり、さらに仕事がしやすくなるのではないでしょうか。 株式会社コトブキ http://a-kotobuki.co.jp 取材・文章:長谷川 賢人 撮影:加藤 甫

「初めて飛ばしたとき『未来がきた!』って興奮しちゃって」 創業75年の屋根屋が、点検にドローンを導入して変わったこと(石川商店三代目 石川弘樹)

屋根の点検やリフォームを専門とし、創業75年の歴史を持つ老舗「石川商店」。三代目の石川弘樹さんは、ドローンを自動操縦して屋根の撮影ができる「DroneRoofer(ドローンルーファー)」を2017年の11月から導入しました。 当初はドローンに懐疑的だった石川さんは、何をきっかけに採用を決めたのでしょうか。屋根の簡易点検に利用していくなかで実感した、ドローンのメリットや使い心地について伺いました。   「ドローンなんて必要ない、職人をなめるな」 ーーDroneRooferを知ったきっかけを教えてください 同業の知人からの紹介ですね。以前からドローンの話は聞いて気になってはいました。 ーーもともと導入を検討していたのですか? いや、どちらかというと懐疑的でした。ドローンって「落ちる」イメージだったんですよ。首相官邸に落下した事件もありましたし、見た目もラジコンヘリに似ていて操縦が難しそうですし。 うまくコントロールするために練習したり、資格を取ったりしなければいけないことを考えると、「はしごをかけて直接屋根にのぼったほうが早いじゃん」と、全くその必要性を感じなかったですね。ドローン自体に興味はあったけれど、業務で使うとは思っていませんでした。 縁あって知人からDroneRooferを紹介してもらう際、事前にメールで質問をしたのですが、「はっきり言って、僕はドローンアンチ派だ」とか「実務の役には立たないだろうけど」みたいな、やけに辛辣なメッセージを送っていた覚えがあります(笑) ーーDroneRoofer導入に、意識が変わった決め手はなんだったのでしょうか。 実際にDroneRooferを使ってドローンが飛ぶところを見たら、想像よりもずっと安定していたんですよね。よい意味で裏切られたというか。 ニュースなどで見聞きしていた印象と大きく異なり、瞬間的に「これは使えるかも」と思って、そのまま当日に購入しました。   「うちの屋根って、こうなっているんだ」というお客さまの反応に驚いた ーー導入後の感想を教えていただけますか。 屋根の点検作業では、予想以上に使い勝手がよかったです。導入前は、はしごをかけて屋根にのぼり、部分ごとに撮りつつ、問題がありそうな箇所はクローズアップした写真を撮影して……と、最終的には、お客さまに10〜20枚ほどの写真を見せていました。 それがDroneRooferを使うと、1回の撮影で全体図が撮れてしまう。細かな箇所もズームすれば確認できるので、写真1枚で完結できるようになりました。作業時間も短縮でき、1時間かかっていたのが、10分程度で終わるようになったんです。 ーー手間や時間が大幅に減ったんですね。 お客さまに説明する際も、以前は「こちらが北側の屋根で……」と、部分ごとの写真を見せていたのが、現在では1枚の写真の中で指し示しながら簡潔に伝えられようになりました。 安全面でも、屋根から落ちる心配がなくなったし、さまざまな面でメリットが挙げられます。 ただ、それ以上に印象的だったのは、お客さまの反応が今までと大きく変わったことですね。 ーー具体的にどう変わったのでしょうか。 写真を見せたとき、「うちの屋根って、こうなっているんだ」と理解してもらえるようになりました。今まで何度も説明してきた方が、初めて見たかのようにそう言ったんですよ。 ーー逆に今までは、全然理解できていなかった、と。 実感がないまま、信じてもらっていたのかもしれません。プロがそう説明しているから、その通りなんだろうみたいな。ある意味、半信半疑のまま、僕らの説明や提案を聞いていたのかもしれません。 でも、DroneRooferを導入してからは、屋根を丸ごと俯瞰して見せることができます。写真には、その場にいる自分たちも写っていて、紛れもなく自分の家とわかる。 お客さまはそこで初めて、自宅の屋根事情をはっきりと知るわけです。 屋根の点検は、お客さまが普段見られない場所を調べる作業ですから、実は業者が適当なことを言ってもなかなか検証ができません。 その結果、リフォーム詐欺の温床になりやすく、どうしてもイメージが悪くなっていました。 ドローンを活用することで、お客さまが屋根の状況を理解できれば、信頼関係も生まれてくる。今後業界にドローンが普及することでリフォーム詐欺が成り立たなくなり、業界に対するイメージアップにつながっていくのではないか。そんな希望を感じた出来事でした。 ーーお客さまからの信頼度が上がったことによって、どんな変化がありましたか? あくまで肌感覚レベルですが、DroneRooferを使った点検によって、1案件あたりの商談の回数が減りました。 屋根を点検してリフォームが必要になった場合、200〜300万円かかるケースもあります。もちろん改修の規模にもよりますが、1回のリフォーム代が車1台分もする大きな買い物になったら、誰だって躊躇しますよね。 また、雨漏りのようなケースでない限り、屋根の修理はそこまで急を要するものでもありません。 僕たちも「急がず慎重に検討してください」と伝えています。だから、これまでは少なくとも10回は伺って、屋根のコンディションに関する話をしていました。でも、DroneRooferを導入してから、明らかに訪問回数が減りましたね。 ーーそれはすごいですね。やはり自宅の屋根を見た実感が影響しているのでしょうか。 それもあるでしょう。あと、古くさい瓦屋が、新しい技術であるドローンを導入しているのも大きいようです。 単に長く続いているだけじゃなくて、お客さまのことを考えて新しいものも取り入れていることが伝わったのかもしれません。   初めて飛ばした瞬間、「未来がきた!」って叫びました(笑) ーー社員の皆さんも操縦している? はい、操縦は全く問題ありません。僕が最初に操縦したときも「ほぼ何もしてないな」と感じるくらい負担がなかったんです。最低限の操作をすれば、自動操縦で動いてくれますから。 思ったよりもずっと簡単で、僕より年上の社員たちも全員すぐに使えるようになりました。最初の練習の時点で、「これならもう明日から使えるな」という感じでしたから。 ーー初めて操縦したときはどんな印象を受けましたか。 子どもみたいで恥ずかしいのですが、思わず「未来きた!」って叫んじゃって(笑)。ドローンって、これほどまでに発達しているんだと驚きました。自分が操縦するDroneRooferを見ながら、ひたすら「未来だ! 未来だ!」と興奮したのをよく覚えています。 ーーお客さまの反応はどうでしたか。 皆さん、すごく面白がってくれますね。近所の方も気になるのか、集まってきます。あるお客さまの点検のために、DroneRooferを飛ばしていたら、「うちの屋根も見てくれ」と、新しい仕事につながることもありました。 ーー都心部でドローンが飛んでいるのは、なかなか見られないですもんね。 今はまだ物珍しさが勝ってしまう段階ですね。ご近所の方に不審がられないために、点検前には必ずごあいさつをするようにしています。 その分を考えると作業時間は20分増えましたが、DroneRooferの撮影自体は10分で済みますし、近所の方との関係も作れるので、そこまで大きな負担ではありません。最初は正直、ちょっと面倒だな……と思っていましたが(笑)。   屋根の知識や点検の経験があるからこそ、DroneRooferが生きる ーーこうした新しい技術が現れた際、「仕事が奪われる」と不安に思う人も出るかと思います。DroneRooferは、職人の仕事に置き換わる存在なのでしょうか? 置き換わるというよりは、融合するイメージです。たとえば、医者はまず、患者を問診しますよね。それでも原因がわからない場合は、CTやMRIなどを使って、より精度の高い診察をします。決して、テクノロジーだけに頼るのではなく、医療の知識があってこそ成り立つのではないでしょうか。 DroneRooferも、屋根の知識や点検の経験があって初めて活用できるものです。 ただ飛ばすだけでは、単なる空撮になってしまいますから。テクノロジーに仕事を奪われるのではなく、新しいツールが導入された印象ですね。手足が生えて自分で修理できるようになったら、職人の出る幕がなくなるかもしれませんが(笑)。 ーー最後に、DroneRooferの導入を検討中の方にアドバイスをいただけますか? 経営者の立場で見ると、まず気になるのは費用対効果です。ただ、それに関しては心配ないですね。商談が早く決まるようになりましたし、お客さまからの信頼度が上がるのは何にも代えがたいと私は思います。 また将来的には、屋根に登る前にドローンで撮影するのが業界のスタンダードになると予想しています。もしかすると、より小型で安価な機体が普及したら、個人が屋根を点検する時代が来るかもしれません。そういう未来を見据えて、僕らがドローンを使えることは生き残る上で必要不可欠です。 いまのうちにドローンを仲間に引き入れて、ノウハウを蓄えておくのが大事ではないでしょうか。   DroneRooferに関するお問合わせはこちらから 石川商店 https://riverstone-roofing.com 文:園田菜々 編集:杉山大祐/ノオト 撮影:栃久保誠

ドローンで屋根を当たり前に点検する時代がやってきた(神清 神谷昭範)

「屋根から笑顔をつくる」を合言葉に、慶応4年に創業された150年の歴史を誇る愛知県の老舗企業「神清」。神谷昭範さんはドローンを自動操縦して屋根の撮影ができる「DroneRoofer(ドローンルーファー)」を導入しました。 現在は屋根工事業者が利用しているドローンでの屋根点検ですが、なぜ購入を決めることができたのか、不安や心配はなかったのかなどドローンの導入について伺いました。   ドローンのルールは自分でつくる ーー普段はどういったお仕事をされているのでしょうか もともと三州瓦のメーカーで屋根瓦の製造、販売と屋根工事をしています。最近は雨漏り調査・補修の業務などもしています。創業は慶応4年です。一応老舗ってことになりますかね。 ーーDroneRooferの導入に至った経緯を教えてください。 ドローンで撮影しても、その写真から診断するのは屋根の知識がないとできません。いま業界の流れとして、屋根の診断を知識がない人がやっていることが多々あります。 私たち屋根屋がしっかりとドローンでの点検ができるようになれば、自分たちで屋根点検の当たり前を作り上げられると思います。 少し話は逸れますが、太陽光パネルって今はほとんどが電気屋さんが屋根に設置しているんです。屋根屋は「屋根に穴を開けて設置するなんてダメだ」と言って注目していなかったら、国策になって太陽光パネルブームになり、電気屋さんのスタンダードで設置基準が決められました。 屋根のプロフェッショナルの知識を持ってすれば長持ちする家のための設置方法にできたのに、とても悔しい気持ちです。 ドローンという新しい技術が屋根業界に入って来た今、直接屋根に登った方がいいと言って毛嫌いするのはもったいない。 今のうちから屋根屋がドローンのルールを作るくらいの気構えで、取り入れて行った方が業界を守れると思い投資半分、活用半分ぐらいの気持ちでDroneRooferを取り入れました。  ーーDroneRooferはどういった場面で活用していますか。 「点検」と「お客様への説明」の2つで考えております。 点検というのは、単純に屋根の上に飛ばして点検するものですね。1番よくイメージできるもので私たち屋根屋の効率化です。 「お客様への説明」というのは、例えば「屋根を変えようかな」「リフォームしようかな」と悩んでいるお客様のために「こんな風に変化したんですよ」と工事の前後に屋根を撮影して説明するためのものです。この説明ってすごく重要なんですよ。 当たり前ですが屋根は下から見ることはできません。見えないものにお金を払うし、結局どう良くなったのか良く分からないというのは不安です。 それがドローンで撮った写真を見せながら「これだけ汚れていましたよ」「壊れていたところをこんな風に綺麗で健全な屋根にしました」と説明することで安心してもらえます。 「お客様に理解していただける」これが今までできていなかったので、もし屋根について理解していただけるようになれば革命的です。 屋根業界のことを本気で一緒に考えてくれる ーーDroneRooferで点検してみていかがでしょうか 意外とできるというのが正直な反応ですね。もっと使えないかと思っていました。今時のドローンは画質も良く瓦もくっきり表示されます。 強いて言うならただ雨漏りの点検は難しいかもしれないですね。 ドローンだと表面の状態を撮影しますが、雨漏りの原因は内側にあることが多いんです。 ドローンですべてを解決しようとするのではなく、ドローンが得意なところ、人が得意なところなどを住み分けて利用していければと思います。 例えばドローンは、漆喰が崩れていないかの点検や屋根の作りが旧工法かどうかの点検、または損害鑑定や診断などが得意ですね。 ーー創業150年以上の老舗企業が、新しいテクノロジーを導入することに対する迷いや周りからの反対はありましたか? 導入に対して対して迷いはなかったですね。逆に我々のような老舗企業が、誰よりも早く変化に対応して未来をつくっていきたいと常々思っています。 実際に導入するなら早くやるに越したことはないので、周囲からDroneRooferの話を聞いてすぐに導入を決めました。 心配ですか?うーん、なかったと言えば正直ウソになりますが、DroneRooferを開発しているみなさんが、屋根業界と密に連携して動いてくださっているのは知っていたので、そこまで心配はありませんでしたね。 彼らは本当に屋根のためを思った運営をされていますし、丁寧に自分たちのためだけじゃなく屋根業界全体のことを本気で考えて運営してくださっているのが営業の方の話し方などから滲み出ています。 私としては、これだけ使いやすくて屋根全体のことを思ってくれている、DroneRooferがドローンを使った屋根点検の標準というかスタンダードになってほしいと思ってるぐらいです。なので安心して導入できました。 ーー導入した上での良い点、悪い点をそれぞれ教えてください 良い面は人が登って危険な作業をしなくて済む点ですね。 10mくらいまではハシゴを掛けられますが、それ以上になると今まではわざわざ足場を組んで登っていたんです。それがドローンなら全く高さ関係なく飛ばして見るだけなので良いです。 逆にドローンが出来ないところで言うと、屋根の内側の状況はドローンでは見れないですね。ドローンに手が生えて瓦を剥がして見てくれるとなると別ですが(笑)。 諦めていた保険ドローンを使えばOK ーーはじめて、ドローンが自動で動いた時はいかがでしたか おおお、簡単だな!と思いました(笑)実際、本当におどろくほど簡単なんですよ。 動かす前はモニターを見ながらコントローラーを操作して…というのを想像していたので難しいんじゃないかなと思っていました。 実際はボタンひとつ押すだけでビョーーンと空高く上がって写真を撮ってまた降りてきてくれる。いやこれは本当に凄いなと思いました。 ーー実際に使ってみて周囲からの反応はいかがでしたでしょうか? 「ドローン初めてみたー!」といって地域に人たちが集まってきて写真を撮ったりしていますね。人気者になった気分です(笑) ーードローンを使うようになってから何か変化はありましたか? あー、実際にわかりやすく儲かった話がありますよ。 ある日、現場で屋根に着いている換気のためのプロペラが強風で中途半端に壊れたんですよ。保険会社の方に相談したら「屋根から外して写真を撮ったら保険が下りるかも」と言われたんです。 でも外すのが大変で大変で。ちゃんと外そうと思うと大型クレーンを使って外さないといけないし、外してしまったらまた直さないといけない。 どうしようかなと思って、内側までは見えないけど、とりあえずドローンで写真を撮って提出したら、なんと保険が下りたんですよ。これだけでドローンに投資した分も既に回収できたと言えますね。こんな回答でいいですか(笑)。 ーードローンを使うことで作業の効率は上がるのでしょうか? 新しい点検方法が可能になると言えますね。今までは屋根に登れる人だけが点検ができたけど登れない人がドローンを飛ばして点検できるようになるのかなと思います。 使ってみないと良い使い方は発見できない ーー屋根業界に対する課題やジレンマがあれば教えてください 課題で言うと、私たち屋根屋ってそんなに営業が得意じゃないんです。ハウスメーカーさんと違って工務店さんから屋根屋に仕事が来ることが多いんですよ。 屋根屋に直接電話がかかってくることってそんなにないんです。 それがドローンを使って屋根屋が点検をするようになれば、お施主さんから我々に直接依頼がくる可能性もあるのかなと思います。 ーー屋根点検の未来について 屋根の定期点検が根付くことが未来ですね。普通の人が一生で屋根について考えるのなんて1度や2度くらいだと思うんです。 点検の際にちょっとずつでも正しい情報を伝えて、知識が少しでも増えていったら屋根への関心や意識が高まりますし、悪徳業者に騙されそうになっても判断できるかもしれません。 例えば、災害や台風の被害で屋根が壊れた場合は修理に保険が下りますが、経年劣化だと下りません。 これが定期的にドローンで写真を撮っていれば、悪徳業者に保険が下りないと騙されても経年劣化ではない証明ができるかもしませんよね。 たかが屋根の写真1枚って思うかもしれませんが、その1枚がどれだけ価値があるものなのか。これを理解してもらいたい。しかも簡単に残せる。こんな良いことはありません。 ーーDroneRooferの期待していた以上の効果があればお聞かせください まだ正確には検証できてはいないのですが、屋根のクラックを早期に発見できるんじゃないかなと期待しています。 クラックができてすぐはなかなか発見できないんです。 10年とか経ってやって目に見えた時には経年劣化ですねと言われて補修するしかない。 今はそれを発見することが出来ないのですが、ドローンを使ってクラックの早期発見ができれば結構面白いんじゃないかなと思ってます。 あとは何度も言うように、「上から屋根の写真を1枚残せる」これがどれだけ価値があるのか。屋根屋ならすぐにわかると思いますよ。 ーーDroneRooferの導入を検討している人にアドバイスをするとしたら、何と言いますか ドローンでの屋根点検が、まだ業界としても見つかっていないかもしれません。 ただ使ってみないと良い使い方は発見できないですよ。 屋根業界でドローンを使いこなしている人はあまりいない状態なので、今ならドローン屋根点検の最先端な人になれる可能性があります。導入おすすめしますよ。 文:齋藤 夏美 編集:株式会社CLUE 神清  http://kamisei.co.jp

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