屋根の点検やリフォームを専門とし、創業75年の歴史を持つ老舗「石川商店」。三代目の石川弘樹さんは、ドローンを自動操縦して屋根の撮影ができる「DroneRoofer(ドローンルーファー)」を2017年の11月から導入しました。

当初はドローンに懐疑的だった石川さんは、何をきっかけに採用を決めたのでしょうか。屋根の簡易点検に利用していくなかで実感した、ドローンのメリットや使い心地について伺いました。

 

「ドローンなんて必要ない、職人をなめるな」

ーーDroneRooferを知ったきっかけを教えてください

同業の知人からの紹介ですね。以前からドローンの話は聞いて気になってはいました。

ーーもともと導入を検討していたのですか?

いや、どちらかというと懐疑的でした。ドローンって「落ちる」イメージだったんですよ。首相官邸に落下した事件もありましたし、見た目もラジコンヘリに似ていて操縦が難しそうですし。

うまくコントロールするために練習したり、資格を取ったりしなければいけないことを考えると、「はしごをかけて直接屋根にのぼったほうが早いじゃん」と、全くその必要性を感じなかったですね。ドローン自体に興味はあったけれど、業務で使うとは思っていませんでした。

縁あって知人からDroneRooferを紹介してもらう際、事前にメールで質問をしたのですが、「はっきり言って、僕はドローンアンチ派だ」とか「実務の役には立たないだろうけど」みたいな、やけに辛辣なメッセージを送っていた覚えがあります(笑)

ーーDroneRoofer導入に、意識が変わった決め手はなんだったのでしょうか。

実際にDroneRooferを使ってドローンが飛ぶところを見たら、想像よりもずっと安定していたんですよね。よい意味で裏切られたというか。

ニュースなどで見聞きしていた印象と大きく異なり、瞬間的に「これは使えるかも」と思って、そのまま当日に購入しました。

 

「うちの屋根って、こうなっているんだ」というお客さまの反応に驚いた

ーー導入後の感想を教えていただけますか。

屋根の点検作業では、予想以上に使い勝手がよかったです。導入前は、はしごをかけて屋根にのぼり、部分ごとに撮りつつ、問題がありそうな箇所はクローズアップした写真を撮影して……と、最終的には、お客さまに10〜20枚ほどの写真を見せていました。

それがDroneRooferを使うと、1回の撮影で全体図が撮れてしまう。細かな箇所もズームすれば確認できるので、写真1枚で完結できるようになりました。作業時間も短縮でき、1時間かかっていたのが、10分程度で終わるようになったんです。

ーー手間や時間が大幅に減ったんですね。

お客さまに説明する際も、以前は「こちらが北側の屋根で……」と、部分ごとの写真を見せていたのが、現在では1枚の写真の中で指し示しながら簡潔に伝えられようになりました。

安全面でも、屋根から落ちる心配がなくなったし、さまざまな面でメリットが挙げられます。

ただ、それ以上に印象的だったのは、お客さまの反応が今までと大きく変わったことですね。

ーー具体的にどう変わったのでしょうか。

写真を見せたとき、「うちの屋根って、こうなっているんだ」と理解してもらえるようになりました。今まで何度も説明してきた方が、初めて見たかのようにそう言ったんですよ。

ーー逆に今までは、全然理解できていなかった、と。

実感がないまま、信じてもらっていたのかもしれません。プロがそう説明しているから、その通りなんだろうみたいな。ある意味、半信半疑のまま、僕らの説明や提案を聞いていたのかもしれません。

でも、DroneRooferを導入してからは、屋根を丸ごと俯瞰して見せることができます。写真には、その場にいる自分たちも写っていて、紛れもなく自分の家とわかる。

お客さまはそこで初めて、自宅の屋根事情をはっきりと知るわけです。

屋根の点検は、お客さまが普段見られない場所を調べる作業ですから、実は業者が適当なことを言ってもなかなか検証ができません。

その結果、リフォーム詐欺の温床になりやすく、どうしてもイメージが悪くなっていました。

ドローンを活用することで、お客さまが屋根の状況を理解できれば、信頼関係も生まれてくる。今後業界にドローンが普及することでリフォーム詐欺が成り立たなくなり、業界に対するイメージアップにつながっていくのではないか。そんな希望を感じた出来事でした。

ーーお客さまからの信頼度が上がったことによって、どんな変化がありましたか?

あくまで肌感覚レベルですが、DroneRooferを使った点検によって、1案件あたりの商談の回数が減りました。

屋根を点検してリフォームが必要になった場合、200〜300万円かかるケースもあります。もちろん改修の規模にもよりますが、1回のリフォーム代が車1台分もする大きな買い物になったら、誰だって躊躇しますよね。

また、雨漏りのようなケースでない限り、屋根の修理はそこまで急を要するものでもありません。

僕たちも「急がず慎重に検討してください」と伝えています。だから、これまでは少なくとも10回は伺って、屋根のコンディションに関する話をしていました。でも、DroneRooferを導入してから、明らかに訪問回数が減りましたね。

ーーそれはすごいですね。やはり自宅の屋根を見た実感が影響しているのでしょうか。

それもあるでしょう。あと、古くさい瓦屋が、新しい技術であるドローンを導入しているのも大きいようです。

単に長く続いているだけじゃなくて、お客さまのことを考えて新しいものも取り入れていることが伝わったのかもしれません。

 

初めて飛ばした瞬間、「未来がきた!」って叫びました(笑)

ーー社員の皆さんも操縦している?

はい、操縦は全く問題ありません。僕が最初に操縦したときも「ほぼ何もしてないな」と感じるくらい負担がなかったんです。最低限の操作をすれば、自動操縦で動いてくれますから。

思ったよりもずっと簡単で、僕より年上の社員たちも全員すぐに使えるようになりました。最初の練習の時点で、「これならもう明日から使えるな」という感じでしたから。

ーー初めて操縦したときはどんな印象を受けましたか。

子どもみたいで恥ずかしいのですが、思わず「未来きた!」って叫んじゃって(笑)。ドローンって、これほどまでに発達しているんだと驚きました。自分が操縦するDroneRooferを見ながら、ひたすら「未来だ! 未来だ!」と興奮したのをよく覚えています。

ーーお客さまの反応はどうでしたか。

皆さん、すごく面白がってくれますね。近所の方も気になるのか、集まってきます。あるお客さまの点検のために、DroneRooferを飛ばしていたら、「うちの屋根も見てくれ」と、新しい仕事につながることもありました。

ーー都心部でドローンが飛んでいるのは、なかなか見られないですもんね。

今はまだ物珍しさが勝ってしまう段階ですね。ご近所の方に不審がられないために、点検前には必ずごあいさつをするようにしています。

その分を考えると作業時間は20分増えましたが、DroneRooferの撮影自体は10分で済みますし、近所の方との関係も作れるので、そこまで大きな負担ではありません。最初は正直、ちょっと面倒だな……と思っていましたが(笑)。

 

屋根の知識や点検の経験があるからこそ、DroneRooferが生きる

ーーこうした新しい技術が現れた際、「仕事が奪われる」と不安に思う人も出るかと思います。DroneRooferは、職人の仕事に置き換わる存在なのでしょうか?

置き換わるというよりは、融合するイメージです。たとえば、医者はまず、患者を問診しますよね。それでも原因がわからない場合は、CTやMRIなどを使って、より精度の高い診察をします。決して、テクノロジーだけに頼るのではなく、医療の知識があってこそ成り立つのではないでしょうか。

DroneRooferも、屋根の知識や点検の経験があって初めて活用できるものです。

ただ飛ばすだけでは、単なる空撮になってしまいますから。テクノロジーに仕事を奪われるのではなく、新しいツールが導入された印象ですね。手足が生えて自分で修理できるようになったら、職人の出る幕がなくなるかもしれませんが(笑)。

ーー最後に、DroneRooferの導入を検討中の方にアドバイスをいただけますか?

経営者の立場で見ると、まず気になるのは費用対効果です。ただ、それに関しては心配ないですね。商談が早く決まるようになりましたし、お客さまからの信頼度が上がるのは何にも代えがたいと私は思います。

また将来的には、屋根に登る前にドローンで撮影するのが業界のスタンダードになると予想しています。もしかすると、より小型で安価な機体が普及したら、個人が屋根を点検する時代が来るかもしれません。そういう未来を見据えて、僕らがドローンを使えることは生き残る上で必要不可欠です。

いまのうちにドローンを仲間に引き入れて、ノウハウを蓄えておくのが大事ではないでしょうか。

 

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文:園田菜々 編集:杉山大祐/ノオト 撮影:栃久保誠